これは私がまだ小さかった頃の話です。
私は病弱な産まれで、友人はおりましたが彼らとともに外での遊びに興じることは叶いませんでした。
さてある日、いつものように私が縁側で友人らの遊びを眺めていると、友人の一人である紀子ちゃんが私に声をかけてきました。
「ねぇpyorumonsくん、いつも見てるだけじゃつまらないよね。せめて暇つぶしになるように私が好きな本を持ってきたんだけど、よかったら読んでくれるかな?」
「お気遣いどうも紀子ちゃん。いやいや、僕はここから眺めているだけで十分楽しいよ。みんなが楽しそうに遊んでいるのを見るだけで、僕も一緒に身体を動かして遊んでいるような気分になれるんだ。でも本はありがたく読ませてもらうよ。」
私が言ったことに嘘はありません。私は友人たちを眺めているだけで、十分だったのです。ですが、紀子ちゃんが気にかけて本を持ってきてくれたことは、それ以上に嬉しいことでした。
「読んだら感想聞かせてね!お家の中で遊んでいるときはたくさんお話ししようね!」
そう言って走り去る紀子ちゃん。私の手元には一冊の本が残りました。表紙には、何やら刀を持ちながら女性を抱く一人の男性、そしてタイトルにはこうありました。
呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校(呪術廻戦0巻)
呪術廻戦0巻あらすじ
少年・乙骨憂太は、ある怨霊に取り憑かれて苦しんでいた。幼い頃結婚を約束した少女・折本里香である。
同級生にいじめを受けていた乙骨だが、自身に取り憑いた里香が彼らに重症を負わせたことで呪術師に拘束され、死刑を宣告される。だが、あまりに強大な力のため、そうやすやすと死刑を執行してしまうと何が起こるかわからない。結果、里香という「呪い」を解くために乙骨は2017年に東京都立呪術高等専門学校に入学する。
負の感情から生まれる「呪い」をテーマにしたダークファンタジー
週刊少年ジャンプ連載中の作品「呪術廻戦」の前日譚にあたる呪術廻戦0巻。
「呪術廻戦」とは、人の負の感情から生まれる「呪い」と、それを呪術によって祓う「呪術師」の、毒を以て毒を制す戦いの物語です。
作者は、続くシリーズがジャンプ初の連載作品となる芥見下々(あくたみげげ)先生。
ジャンプ誌上で開催された新人賞企画の金未来杯に「二界梵骸バラバルジュラ」でノミネートされ、その後ジャンプGIGA誌上でこの「東京都立呪術高等専門学校(呪術廻戦0巻)」を連載しました。
現在連載中の「呪術廻戦」よりはバトルシーンの派手さはないですが、ワードセンスは抜群で、本編を読もうかな…と考えている方はこの作品を読めば雰囲気は掴めますし、読む気がなくてもこれ単体で十分楽しめると思います。ぜひ一読してはいかがでしょうか。一読してくださいお願いします。
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